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宇野株式会社様
屋内での植物育成の光源の条件を把握するためのツール
社内で水耕栽培を行う宇野株式会社
精密測定機器の総合商社である宇野株式会社様では、農業市場向け測定機器の需要開拓の一環として、社内で水耕栽培を行い、野菜の成長状況や各種測定器による測定結果を記録しています。植物の育成に必要な条件や測定方法等を把握することで、農業市場に測定機器を販売するヒントに繋げたいという目的です。水耕栽培の過程でC-7000もご使用頂いておりますので、その使用例をご紹介いたします。
屋内での植物育成にC-7000が有効な理由
植物の光合成には太陽光等の光が必要ですが、屋内の水耕栽培や野菜工場では太陽光のかわりにLED光源等の人工光がよく利用されています。LED光源には三原色の発光ダイオードを集積したものや、青色または近紫外の発光ダイオードと蛍光体からの光を重ね合わせたものなどいろいろな種類があり、発せられる光の波長特性にも大きな違いがあります。
光合成に影響を及ぼす光の強さを照度(lx)で表すことも多いようですが、正確には光合成有効放射で表す必要があり、物理量として光合成光量子束密度(PPFD)が使われます。光合成光量子とは、光合成の際に葉緑素が吸収する波長の光の粒子のことで、光合成光量子束密度(PPFD)は、400nm~700nmの波長範囲の光量子が、1秒間に1平方メートルあたり何個入射するのかを表しています。(単位:μmol・m-2・s-1)
一般的に葉物の野菜、例えばレタスやパセリ、水菜やケールなどは100μmol・m-2・s-1で生育し出荷できるレベルに生長するといわれていて、実がなる野菜のトマトやナスなどは200μmol・m-2・s-1以上必要とされます。
一般的な照度計は、照度(lx)だけを測定しますが、C-7000はPPFDの測定も可能なため植物育成に必要な光量を測ることができます。
また、植物には光がタネの発芽を促進する種類と、逆に光を必要としない種類があり、光が発芽を促進する種類を好光性種子(光発芽性種子)、光を必要とせず暗い方が発芽の良い種類を嫌光性種子(暗発芽性種子)と呼びます。植物はフィトクロムという光を受容するタンパク質を持っており、好光性種子か嫌光性種子かはこのフィトクロム反応の違いによって決まります。
嫌光性種子を発芽させる場合は、水分を含んだスポンジに播種してから光が当たらない様に覆う必要がありますが、好光性種子はフィトクロムが活性化する赤い光を当てる必要があります。 太陽光には赤い光が含まれているため問題ありませんが、室内の照明に赤い光が含まれているかどうかは、C-7000のスペクトル表示モードで確認する事ができます。
発芽には気温、湿度、風通し、種子の個体差など様々な要因が影響しますが、その一つの要因が光です。光の成分は人間の目で確認することが難しいため、専用の測定機を利用することで、その種子に合った光かを判断する必要があります。屋内で太陽光に当てることが難しい場合は、育成に使用する照明が発芽に向いているのか、PPFDやスペクトルを測定することが有効です。
分光色彩照度計C-7000の製品情報
セコニックの分光色彩照度計に興味をお持ちの皆さまは、以下の製品ページをご覧ください。また、製品についてのお問い合わせやデモ機のお貸出しについては、以下のお問合せフォームからお気軽にお申し付けください。
・分光色彩照度計 C-7000
https://www.sekonic.co.jp/product/meter/c_7000/c_7000.html・お問い合わせフォーム
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